沖に流されてから

虚構織り交ぜています

提示する方法を選ぶのは難しい

5月にテープ起こしをしたインタビューの中で、YKBX(こと横部正樹さん)を知った(こういうクリエイターや芸能人について、呼び捨てにするのも「さん」付けで書くのも変な感じ)。今月の18日までgallery PARCで展示している。amazarashiのMVやネゴトのキャラクターデザインのテイストは好みじゃないけど、「プロダクトの裏に世界観やビジュアルの意味があるものを作っていければ」というインタビューがすきだった。ギャラリーがあるのはGRAND MARBLEの2階だから市内にでる14日~16日にいくといいかな。堂島ビエンナーレは16日か18日に。こう暑くなければもっと出かけたい。暑いとだるくて本当にだめだ。
 
 
こないだ同じギャラリーでケイコさん達とみた、吉原 啓太さんの個展「squash domain」について、実際に観た展示内容より後から読んだプレスリリースのほうが興味をそそった。カーボン紙を巻きつけた大きな白塗りの箱が、何人かのクリエイターの住居空間に運ばれる。この行為が”個々の領域(domain)への浸食(squash)”であることは展示から感じられた。その後各々に作ってもらったという作品からは、異物が生活空間の中に入ってきて感じた個々のありかたや、それ以外の何かをみることができなかった。わかることが良い、とは思わないけど面白い不可解さ(自分なりに解釈したくなるもの?)と、なんにもわかんないよ(見当違いに思えるもの?)という感想の間には違いがある。それがどう違うのか肌で感じているようなものだけど。正直私にはよくわからなかった。
面白く感じたことや興味をもっていることを、提示する方法を選択するのは難しい。映像がいいのか立体がいいのか、インスタレーションがいいのか。それ以外にも沢山とりえる材料や表現があって、「何故この選択か」を何度も考え、文脈やロジックを鍛えた人が、世界観を提示することができる。先生はダミアン・ハーストをその例に挙げていた。アイデアを形にし、計画をたてて進め、仕上げもきっちり完成させる賢さはビジネスマンに近いと思う。蝶の羽をステンドグラスの様にはりつけた「Superstition」は視覚的にも美しいので好き。文章で作品の概要を読む以上の感覚を与えてくれること(綺麗だけど、このパーツ全てが亡骸でできていることの薄ら寒さ)。蝶の羽でこそ意味があって、素材の美しさを存分に活かしている。森美術館の「LOVE展」では、異なるバージョンの作品をみた。同じYBAs(ヤング・ブリテッシュ・アーティスト)のトレイシー・エミンのネオンも出ていた。