沖に流されてから

虚構織り交ぜています

薬指の標本

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映画.comより)

薬指の標本」を観た。2004年の作品。

 

結末や詳細は匂わすだけに留めていて、雰囲気漂う映画でした。海辺であったり古い浴場であったり、水がよくでてくる湿度の高いシーンが多かった。お国柄なのか、フランス映画って色恋とか交わる場面が多くないですか、というよりそこに至るまでがはやいのかもしれない(私がお堅いのかもしれない)。 ヒロインが博士と会い、靴をもらい、関係をもって、嫉妬を顕にするまでに半年ぐらい経ったかしらと思っていたら「まだここに来て3週間だったのね」という老女の台詞がでてくる。老女と一緒に、3週間でこんなに心捕らわれるのか!と驚いた(これはきっと話の要になる靴の影響を受けて、ではあるけど)。後半に麻雀牌をラボに持ってくる中国人の描写に、「とりあえず手を合わせてお辞儀するんじゃない?」みたいな雑さを感じて、ちょっと可笑しかった。ハリウッド映画の中で時々、日本のイメージがパラレルワールドじゃないかってくらいぶっ飛んでいるみたいに。

一番満足だったのはオルガ・キュリレンコの衣装が素敵だったことです。ごてごてしていないけど程よく色があっていい。何事もすこし控えめで丁度いいバランスが取れているものがいいわ。衣装担当のパスカリーヌ・シャバンヌはフランソワ・オゾンの作品衣装をよく手がけているみたいで、「しあわせの雨傘」「まぼろし」をウィッシュ・リストに追加した。